◆V(Vannessa)は以前ルームメイトだったB(Blair)が残していった最高にクールな洋服を身につけケン・モーグルス監督のオフィスへ向かっている。Bは突然家を出たものの部屋にあったモノをどれれも置き去りにしたままだしBにとってはもう必要ないもの。だって彼女はお金持ち♪(笑)だからVはかなりBの服を使っていた。ブザーを鳴らし女性アシスタントに案内されオフィスの中へ案内される。映画監督になる以前は写真家でもあったKenのオフィスはおしゃれなヌードの写真が点々と飾られておりVはなかなか慣れない。Kenが現れ彼の部屋に案内されいきなり話になる。8巻でKenがNYで映画の主役オーディションをし決まった女の子がS(Serena)だった。以前からVの才能と実力を買っていたKenはVに一緒に製作しようと依頼される。タイトルは「Breakfast At Fred's」という映画で売れ線目的の典型的なティーンロマコメ映画だがKenはそれだけでなくそこに違った何かを付け加えたいという。それにはVやSが必要だと。Vは個性的な暗いインディーズ系映画が好きだ。でもKenはVの憧れの監督であったのは事実だし新入生のNYUのVがそんな対策に参加できたら?しかもこんなに凄い監督があたしなんかに頼んでいる。確かにVの好きな映画要素は無いもののこのチャンスは逃すのにはもったいない。そして最後に「もう少し考えてお返事させて下さい」とVは返事をする
◆タクシーに乗り移動中のセリーナ。住みなれたアパートを離れタクシーの窓を開け心地よい風を受けながら先日届いた監督からの茶封筒を読み返している。セリーナにとってはこの映画が初めての女優デビュー作品で初めての仕事。あの有名な監督ケン・モーグルと友達ヴァネッサと共演する。役名はHollyで以前オーディションで勝ち取った役だ。監督からは撮影期間の間監督から指示されたアパートに移り住むことになっていて今移動している最中だ。送られてきた茶封筒の中なはアパートの部屋の鍵も入っていた。あの卒業式の後はブレアとも仲直りをし両親のリッジフィールドやコネチカットの別荘でW誌を読んだりブレアと一緒にくだらないお菓子を食べたりとパーティ生活だった。ケートスペードのモノグラムトートバッグにはお気に入りの履きなれたデニムやビーチサンダル、ピンクとブラックのジャージスーツなどを持ってきている。「お客様つきましたよ」と運転手が告げセリーナはカバンから赤紫色のBottage Ventaのサイフを取り出し支払いをすませタクシーから出てバッグを何とか引きずり出し手紙に書かれた地図を再度見た。地図に書かれていないようだが2つのビルがありSは区別がつかなかった。とりあえず近いほうのビルの玄関まで荷物を何とか運び座り込んだ。慣れているものと全く違う。セリーナにとってはこんなにあらゆる事が自分に起こるなんて信じられない。学校をやっと卒業し、一時はモデルをしたり、短い間だったがネイトとつきあってみたり、そのせいでブレアとささいなことで言い争っていたり。そして今は女優になろうとしている。「迷子?」セリーナは見上げた。セリーナの上に立っていたのは背の高いブラウンヘアの肩幅の広いブルーの瞳の男性だった。着ていた服は地味なグレーのスーツにブルーのネクタイだったがその笑顔はとにかく素敵だった。「あ、えっとこの住所を探しているのよ」169と赤色の文字で書かれた鍵を持ちながらため息をつきながらセリーナが言った。「俺そのアパート知ってるよ、というかそこに住んでるんだ」手をセリーナに差し伸べた。「えっと俺はJason Bridges」「セリーナよ」セリーナが返事をし微笑みながらケリーグリーン色のスカートをはたいた。Jasonがセリーナの荷物を拾い上げた一緒にアパートへ向かった。Jasonが鍵を開け169と書かれた重い黒色のドアをグッと押しセリーナを先に入らさせた。古いビルの中を案内してもらいながらJasonとお喋りをするセリーナ。セリーナはケン・モーグル監督のBreakfast at Fred’sの映画で主演をしこれが始めての演技になると語る。この映画はオードリー主演のティファニーで朝食をの現代版で少し変化を加えたブロックバスターティーンラヴコメ映画。セリーナが演じる役はHolly Golightlyというアッパーイーストサイドに住むワイルドで女の子。そして今監督ケンの指示により移り住んできたこのアパートが映画内で実際にオリジナル映画の「Holly」が住んでいるアパートなのだ。Hollyはこのアパートで田舎出身の無垢な俳優を目指して頑張っている男の子に出会う。Hollyはその男の子を気に入りバーニーズで買い物をしたり食事をしたりしてその男の子を大喜びさせる。でもそこに違う女の子が来て彼の純粋さをぶち壊す。その純粋さが彼を俳優にさせるためのモノだったのに。そして彼は典型的なおばかなニューヨーカーになってしまう。そこでHollyが現れて彼を助けるというのが大まかな映画のストーリー。ちなみにこの男の子役があの最高にホットなThaddeusという俳優が演じることになっている。お金のかかる映画になりそうなのでケンは撮影ヲ2週間以内で終らせるつもりなのでセリーナはこのアパートで2週間ほど暮らす予定だ。Jasonも初仕事でここに暮らしているようだ。「さぁ着いたよ」とJasonが言いドアを押し開けセリーナを中に入らせ荷物をドサっと置いた。中はお世辞でも綺麗とは言えなかった。むき出しの廊下や床についた変なシミ。しかも家具は無く猫が勝手に入っていた。セリーナは少し不安になりながらもここで初めての映画出演に向けて頑張るのだった
◆D learns the art of customer service◆
ダンは今ニューヨークで一番の大きい本屋The Strand(おそらくマンハッタンにある古本屋さんだと思います)でアルバイトして働いていた。The StrandはNY最大の本屋であり同時に高レベルの本や文献、資料もある。他の本屋とは少し変わっていてバックミュージックも無いし座って読めるソファーすら無い。ダンは妹ジェニーを彼らの母親が住んでいるPragueへちょっとした旅行へ行った際偶然ここの求人広告を見つけた。この夏をどうしようかと悩んで気分がへこんでいた時だったのでこれは何かの暗示だと思った。バイトは本を棚に整理したりがメインだが興味の無いジャンルを好きになれなくとも注意を払うことは大切だと思ったからだ。時々本を尋ねてくる客がいるがほとんどの時間は本の整理に費やすので考える時間が沢山あった。例えばこれから通うEvergreen Collegeがどんな大学だろうかとかこれからヴァネッサとどうなるのかとか。(ヴァネッサとは卒業式の後仲直りをしもう1度付き合うことになった)